「公務員は安定」と言われて感じること

こんにちは、おかめです。

消防官として勤務していた私ですが、「公務員は安定だよね」などと言われることがよくありました。転職を決意して家族や周りに話したときも、「安定しているのに、なんで辞めるの?」と必ずと言っていいほど言われました。

今回は、この「公務員は安定」という言葉について、私なりの考えをお話ししたいと思います。

「公務員は安定」と言われる理由(メリット)

公務員が安定と言われる理由として、次の3つが挙げられます。

  • 身分が保障されている
  • 給料が安定している
  • 社会的信用がある

身分が保障されている

クビの心配がほぼない
公務員は身分が保障されているため、「クビ」という言葉とはほぼ無縁です。懲戒処分などよほどのことがない限り、仕事で成果が出なかったとしても辞めさせられることはありません。

リストラの心配もあまりない
近年は、大手の日系企業でも早期退職の募集を行うところが増えてきました。企業側が一方的に退職を強制することはできないものの、人員整理を目的とした早期退職の募集や退職勧奨を行う会社は確実に増えています。

公務員にも早期退職制度はありますが、あくまで本人が希望して利用する位置づけで、対象人数が決められているわけではありません。実際、私が消防官として在籍していた頃に、この制度を利用した人の話は聞いたことがありませんでした。

給料が安定している

次に、給料が安定しているという点です。これはまさにその通りで、処分を受けない限り、基本的に減給されることはありませんでした。

また、景気の影響を受けにくいことも、給料が安定していると言われる理由だと思います。

たとえばコロナ禍では、さまざまな業種で営業が制限され、給料が減ったというニュースが連日報道されていました。当時消防官として勤務していた私は大きな減収とは無縁でした(ただし、業務自体はかなりハードになりました)。

世の中の情勢によって給料が減るかもしれない、という心配をしなくていいのは、精神的に非常に楽です。

余談ですが、消防官の多くは24時間勤務の「交代制勤務」に配属されます。24時間勤務のため年間の出勤日数が少なく、休みが多く感じられるのもメリットです(ただし、最初の頃は生活リズムに慣れず、よく体調を崩していました)。

社会的信用がある

公務員は身分が保障されており、社会的にも一定の信用があります。公務員志望者は年々減っていると言われますが、それでも「公務員」と聞くと「しっかりしてそう」と感じる人は、今も多いのではないでしょうか。

親世代の方からも、「公務員なら安定だね」とよく言われました。

かくいう私が就職活動をしていた当時も公務員の人気は高く、私が受けた消防の採用試験は倍率20倍以上でした。その試験を乗り越えたという自負も少なからずあり、若い頃は友人や親に半分自慢するように話していた記憶があります。

また、社会的信用があるおかげで、ローンを組みやすいのも大きなメリットです。家や車をローンで購入している人は珍しくなく、20代で早々に家を買う人も多い印象でした。

安定なのは間違いない。でも……(デメリット)

ここまで、公務員が安定と言われる理由(メリット)をお話ししてきました。しかし、捉え方によっては、それぞれにデメリットとなる側面もあります。

身分が保障されていることの裏側

クビやリストラがほとんどないということは、裏を返せば、組織に依存せざるを得ないということでもあります。定年まで勤め上げるつもりであれば、何も問題はありません。

しかし、職場環境の変化や仕事内容によって仕事が嫌になったとしても、続けざるを得ないケースが多いのも事実です。

もちろん転職という選択肢もあります。ただ、公務員の仕事は利益を目的とした事業ではないため、企業とは仕事の内容も進め方も異なります。公務員の経験を企業で活かすことは可能ですが、活かせる場面は限られることが多く、公務員の働き方に慣れすぎるほど、民間への転職は難しくなります。

また、公務員経験しかない場合、企業での実務経験がないため、他の応募者と比べたときに採用が見送られやすいというのも、実感としてその通りだと感じます。

給料が安定していることの裏側

給料が安定しているということは、裏を返せば、若いうちから高い給料は見込めないということです。年功序列の文化はいまだに根強く、勤続年数や役職によって給料の幅が決まっているのが実情です。

もちろん、早い段階で昇任して上の役職に就ければ、それなりの昇給は見込めます。しかし役職の数は限られており、自分より勤続年数の長い人がいれば、その人が優先的に昇任する可能性が高くなります。結局は、いかに勤続年数を重ねるかが重要になってくるのです。

さらに、年功序列の弊害として、個人の成果や能力が給与に反映されにくいという問題もあります。どれだけ若いうちから成果を出しても、なかなか評価につながらないのです。

社会的信用があることの裏側:常に世間の目にさらされる


社会的信用がある一方で、公務員は税金で仕事をしているため、どうしても弱い立場に置かれがちです。役所の窓口で「税金泥棒」と言われる光景がメディアで取り上げられることがありますが、消防の現場でも同じようなことを言われることがあります。

私自身も、現場でそう言われたことがあります。助けに来たにもかかわらずそう言われたときは、本当にやるせない気持ちになりました。

まとめ:「安定」の意味は人それぞれでは?


ここまで、公務員が安定と言われる理由と、その裏側にあるデメリットをお話ししてきました。

結論として、「公務員は安定」が良いことかどうかは、人によると思います。職場環境が合っていれば、ずっと働き続けられる理想的な環境です。逆に環境が合わなければ、抜け出すのが難しい場所にもなります。

「公務員は安定」と一括りにするのは分かりやすく聞こえがいいかもしれませんが、一言で片付けないでほしい、というのが私の本音です。

冒頭でもお話ししたように、私も退職前に家族を含め色々な人に相談した際、「公務員は安定しているのに、なんで辞めるの?」と何度も言われました。そんなことは本人が一番分かっていますし、その「安定」という言葉が、かえって自分の首を絞めていると感じていました。

当時の私には、そうした思いを相談できる人がほとんどいませんでした。ネットを探しても、ロールモデルになるような記事や人はなかなか見つかりませんでした。

もし、当時の私と同じように考えている人がいれば、ひとつの参考になるよう、これからも発信していきたいと思います。

以上、おかめでした。

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